高校教師、辞めました。

教育現場の裏側や問題点、とにかくいろいろなことを語ります。

「宿題廃止」「定期テスト廃止」の改革には、子どもの「主体性」を育てる大きなヒントがあった

 こんにちは、masaです。

 

連日猛暑が続いていますが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。

体調管理など、十分気を付けてくださいね。

 

さて、今回は次のような記事を参考に、子供の「主体性」を育てるためのヒントを考察していきたいと思います。

diamond.jp

 

以前もこのブログ内で取り上げた、麹町中学校の教育改革について。

 

www.mathematica-teach.com

 

校長の工藤先生との対談形式で、子どもの主体性を育てるためにやるべきこと、やってはいけないことについて話されています。

 

 

 

「宿題廃止」

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 麹町中学校の改革で大きな話題を得たのが、「宿題の廃止」です。

 

本来の宿題の目的とは

 

 本来の宿題の目的は、

  1. 子どもの学力を高めること
  2. 学習習慣を高めること

です。

 

しかし、子どもの学力を高めることについては、様々な疑問が残ります。

  • 内容を理解している生徒には無駄?
  • 内容を理解していない生徒には苦痛?ただ解くだけの作業?

といった具合です。

 

 

なぜ宿題は「無駄」なのか

 

学校の宿題が「無駄」な理由。それは、

  • 同じ内容の宿題を、全員の生徒に一律に出す
  • 学力が異なる生徒一人一人に、レベルがあっていない
  • 受け身の学習になる 

特に、「受け身の学習になる」というのは、内容を理解できている生徒にとっては退屈な作業となってしまいます。

 

また、内容を理解できていない生徒にとっても、途中で挫折して答えを写すだけの作業になってしまいます。

 

いわゆる「思考停止状態」に陥ってしまうのです。

 

さらに、宿題には「自主性」がないですから、やらされてる感に満たされてしまい、肝心な学力をつけるのには程遠いものとなってしまいます。

 

 

「学習」の本質とは

 

学習の本質は、以下の通り。

  • 「わからない」ことが「わかるようになる」こと
  • 何がわかって、何がわからないかを認識すること
  • わからないことを聞いたり、調べたりすること
  • 自主的に取り組むこと 

これらを考え合わせると、学校の宿題には明らかに欠けている要素があります。

 

全員一律の宿題では、このようなプロレスは生まれないからです。

 

 

一方で、「自主的」に学習をすること、つまり

  • 勉強する内容を自分で決める
  • 学習計画をたて、自分自身で取り組む

ことで、学んだ事を自分のものにできるようになるのです。

 

 

このような教育が、現在の学校ではできていないケースがほとんど。

 

 

「単元テストの実施」

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麹町中学校のもう一つの教育改革に「定期テストを廃止し、単元テストを導入」するというものです。

 

これが画期的である理由は何か。 

 

テスト本来の「目的」は何か

テストの本来の目的は何でしょうか。

  1. 学習内容が身についているかチェックする
  2. 単元ごとに弱点を把握し、補強するための判断材料
  3. わからないところを、わかるようにするための学習材料

というところにあります。

 

要するに、テストは自分の勉強が正しく機能しているか「フィードバック」するためのものなのです。

 

 

定期テストの目的のずれとは

 

しかし、学校教育の定期テストの目的は、明らかに「フィードバック」の目的からずれています。

 

  • 高得点を取る生徒が、優秀である
  • 成績の判断材料にする

 

そして、このような評価システムによって、本来持っている能力を発揮できない生徒が生み出されてしまいます。

 

このような、成績をつけることが目的のテストによって、本来のテストの価値を見失い、結果として

  • 「一夜漬け」の勉強になる
  • テストが終わったら、勉強した内容をすっかり忘れる

こういった現象が生まれてしまうのも、うなずけます。

 

目的と手段がねじれてしまっているのです。

 

 

単元テストを実施する理由

 

麹町中学校が「単元テスト」を実施する理由は、このような「成績をつけるためのテスト」ではなく、「生徒の学力に直結するさせるためのテスト」にすることでした。

  • 単元ごとに学習内容が身についているかを測るため
  • テストがうまくいかなかったら、もう一度テストを受けなおすことができる

このようにして、テストを本来の目的である「学習効果をフィードバックするためのテスト」にしたのです。

 

しかも、興味深いのは「希望すれば、もう一度テストを受けなおすことができる」という点です。

 

  • わからないことをわかるようにするには何が必要か考える
  • 子ども自らアクションを起こし、勉強する

 

このような生徒の「自主性」を促し、子ども自ら自分の意志で「主体的に学ぶ」ような工夫を、取り入れています。

 

テストは学力向上の「手段」であって、生徒を評価するための「目的」ではない。

 

その点をクリアにした改革に、非常に感銘を受けました。

 

 

組織の改革

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これらの教育改革を行う上で、それ以外にも大切なのが「当事者意識を持たせる」ことが重要だ、ということです。

 

  • 学校関係者一人ひとり(生徒、保護者、教員)に当事者意識を持たせる
  • 人のせいにして不満を言うだけにならないようにする
  • 教育の創意工夫をする権限を与える 

 

教育を変え、効果を発揮するには、学校だけでなく保護者や生徒にもその責任を持たせる、という考え方です。

 

そして、教育に工夫を持たせるために、一人ひとりに権限を与えるといいます。しかし、単に権限を与えるだけでは、大きく失敗してしまうということです。

 

なるほど、この次の記事には、その点が紹介されるようです。非常に楽しみ。

 

どのような答えが待っているのでしょうか。